「幸齢者」になっていただくために―
2023/05/05
人として尊重し、その人を中心に据えたケアの手法「パーソン・センタード・ケア」を身に着ける
以心伝心がマイナスに働くとき
私たちが心の中で、認知症の人に対して持っている偏見[何となく汚い。わからない人と思ってしまうこと]や、感情的な問題[嫌い。一緒にいたくないという気持ち]が、何となく、それとなく私たちの態度や言葉遣いに現れてしまいます。日頃、心の内で思っていることが声に出さなくても、心から心へ伝わってしまった結果、私たち自身が「問題行動」と呼んでいる認知症の人の状態を引き起こしているのではないでしょうか?
「ふと自分自身を振り返ってみる」態度が「パーソン・センタード」な態度
例えば、「トイレ」を失敗したときに、「失禁した!」という理解はしません。「排泄の失敗」ではなく、私たちがタイミング良くトイレに誘導したり、声を掛けていれば失敗なく出来ていたかもしれない―と振り返ってみる。「パーソン・センタード・ケア」はここから始まります。
「パーソン・センタード」でない17の態度
① だましたり、あざむくこと ② のけ者にすること ③ 能力を使わせないこと
④ 人扱いしないこと ⑤ 子供扱いをすること ⑥ 無視すること ⑦ 怖がらせること
⑧ 強制すること ⑨ 区別すること ⑩ 後回しにすること ⑪ 差別すること
⑫ 非難すること ⑬ 急がせること ⑭ 中断すること ⑮ あざけること
⑯ わかろうとしないこと ⑰侮辱すること
👉こうした態度のひとつでも「心の内で思っていたら、声に出さなくても以心伝心」。
ますます認知症の人の状態を悪化させてしまっていた―と、ふと振り返って「パーソン・センタード」な態度を取り戻しましょう。
(2023.5.5「こどもの日」)
NPO福音の園・埼玉 理事長 / グループホーム福音の園・川越第二 管理者 杉澤 卓巳