「体操競技は、表現力も得点になります!」
2024/09/10
👉毎月、第二ホームへ「傾聴ボランティア」来訪くださるA様の傾聴対応ぶりに刺激を受けまして、先日、午後2時「レク・体操」プログラム開始前に、Kさん(79歳・女性)と対面し「傾聴の時間」を持ちました。
Kさん:高校・大学時代「器械体操倶楽部」に所属しておられた。「段違い平行棒」が得意種目。体操競技の大会では、「採点項目」の一つに「表現力がある」と話してくださった。身体の姿勢、手や足の爪先まで採点さ れ、「顔の表情も採点される」と打ち明けてくださった。
そこで、すかさず私も突っ込んでKさんに、
―「表現力で審査員が高得点をつけてくれるお顔の表情を、私にも見せてくださいヨ!」と話し掛けた。
すると、ニコッと笑顔を作ってくださった。思わず、「ワァー、素敵!」と声を発してしまいました。何故なら、ご入居されて、初めて見せてくださった「笑顔」だったからでした。
普段、「無表情なお顔」で生活しておられるKさん。
・食事中も、「美味しい」でもなく「まずい」でもなく、黙って黙々と召し上がられる。
・皆さんとレクリエーションやゲーム、リハビリ体操をしていても、無表情なまま。
・(言葉を選ばなければなりませんが、無愛想な表情・お顔のことを「仏頂面ぶっちょうづら」と言います)が、申し訳ないが「少しも可愛くない」ので、ついついお世話するスタッフ側も投げやりな言葉遣いになる。
・「トイレが怖い!」とKさんが発した際も、ついつい「Kさんは一人でトイレに行けるでしょ!」と素っ気ない対応になってしまうところが多々あったのでした。
この日の「レク・体操」の時間。大きな円になるようイスを並べて、プログラムに入りました。
―「Kさん、表現力アップ。競技大会で審査員に見せたような、笑顔を皆さんにも見せてあげて!」と促したところ、皆さんに向かって「ニコッ」と笑顔を作られた。私同様に、他の入居者の皆さんも、初めて見るKさんの笑顔だったので「歓声が上った」。
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この日を境にして、Kさんのお顔を見るなり、
「Kさん、表現力アップ。笑顔を見せて! 笑顔のKさんで居てくださると、みんなも可愛いい、素敵! と思いますヨ。表現力アップしたら、高得点がもらえますヨ…」とお声掛けするようになりました。
「生活づくり」をお手伝いする。お一人ひとりの生活を支えて差し上げる。他人と比べる生活ではない。比べるとしたら、「以前の自分、昔の自分」に対して、現在(今日と言う日)をいかに感謝できるか、です。
『再び生き甲斐を取り戻して差し上げることが私たちの最大の仕事であり、ここに私たちの誇りがある。』
(2024.9.10)
NPO福音の園・埼玉 理事長 / グループホーム福音の園・川越第二 管理者 杉澤 卓巳