「就職面接で採用されたので?」―ご入居に至る経緯は様々!!
2022/11/20
認知症対応型グループホームの場合、ご入居される皆様の「動機」は様々です。出来れば、いつまでも勝って気ままに暮らしていたい! のに、認知症状進行に伴って叶わなくなった。ご家族が「本人説得?」のために、あの手この手を尽くして「引っ越し・転入居」を迎えられます。
2ヶ月に一回、「運営推進会議」を開催しています。入居者家族・民生委員・地域包括支援センター・居宅介護支援事業所・ボランティア団体・医療機関関係者の皆様に参集いただき、ホーム側から「事業活動報告」を行い、第三者各位より「要望・助言」を頂戴する会議です。
「開催報告書」を行政へ「報告義務化」され、新型コロナ禍でも「書面開催」しながら現在に至っています。開かれた施設運営の為に、家族と繋がり・地域と繋がる「大切な機会」のひとつです。
95歳男性(要介護4)のご家族が初めて出席下さり、ご入居の経緯をお話し下さいました。
―一点、質問させていただきたいのですが、入居された方で資料には1名が「デイ利用中の方」、2人目が「独居自宅から」とありました。入居された方の「もと居たところ」というのは在宅が多いのか、病院から直接が多いのか?(M病院・T様)。
―およそ2/3が在宅からで、1/3が老健や療養型病院からです(管理者)。
―「独居自宅から」の方の場合、どういう流れから入居されたのか? どういう経緯から施設さん、福音の園さんを知られたのか?(M病院・T様)。
―本日、初めてご出席いただいたY様夫妻のお父様が「独居自宅から」の方ですので、お話ししていただきます(管理者)。
◎今、話題にのぼりました95歳男性の家族です。一年半位、在宅で独り暮らしのところ、朝昼晩と通って面倒を看てきたが、ここへ来て急激に認知症の症状悪化が進み、家族の方もまいってきてしまった。月に一度、担当ケアマネジャーさんから色々方針を伺いながらやってきていたが無理っぽくなってきたので施設の空き等を紹介して欲しいと相談した。こちらへ本人連れて見学に来たところ、杉澤さんの話術にうちの父親がはまってしまいまして、帰宅したら「あの所だったら面白いね!」みたいなことになって、その気になってくれた(Y様)。
◎この「寄ってケア室」で面談していただいたが、自分が就職面接をされた! という気持ちになっていた様子でイイ感じになり、これならいけそうな感触を持てた(Y様妻氏)。
◎周りのお仲間の方には「自分は75歳だ!」と話している様子で、田舎のどこかで暮らしているような感じの意識レベルで、丁度上手くいっている感じ(Y様)。
👉直近「第22回運営推進会議・2022.10/26」 川越市提出済み「開催報告書」抜書
ご入居後、「帰宅願望」やそれに伴う「問題行動」等も無いまま、95歳Yさんは「共同生活」を穏やかにお過ごしになっておられます。
〈余談〉
95歳Yさん。若い頃九州から上京。米軍基地で働かれた経歴の方。当時、日本国内にはまだ「コーラ飲料」が無かった時代に、唯一米軍基地内にアメリカ本国から持ち込まれた「コーラ飲料」を口にされた方だった。日本酒や焼酎、ビールではなく「コーラが大好き」。ご入居に際して、「700ml容器のコーラひと箱」を持参。冷蔵庫に冷やして、毎日適量を飲んでおられる方。
高齢者施設で32年目の私も、「コーラ大好き高齢者」は、今回Yさんが初めてだった。
(2022.11.20)
NPO福音の園・埼玉 理事長 / グループホーム福音の園・川越第二 管理者 杉澤 卓巳