2025年の初心:「個別化の原則」に徹したい!
2025/01/10
👉以前、「介護職募集」に応募した方の面接時、打ち明けられたひと言。
「専門学校受講中、講師の先生から“働くなら大型施設にしなさい。小規模なグループホームはやめておきなさい”と言われました……」。
福祉専門職なのに「バイスティックの7原則」を認識していない人だ、と心を痛めてしまった。
こ | 1.個別化の原則 | 一律いっぺんの画一的な扱いはされたくない |
い | 2.意図的な感情表現の原則 | 自己の感情をありのまま表現したい |
と | 3.統制された感情表現の原則 | 自己の表出した気持ちに共感して欲しい |
じ | 4.受容の原則 | ありのままの自分を受け入れて欲しい |
ひ | 5.非審判的態度の原則 | 責めたり、裁いたりされたくない |
じ | 6.自己決定の原則 | 自分のことは自分で決めたい |
ひ | 7.秘密保持の原則 | 語った秘密は誰にも口外しないで欲しい |
*覚え方(語呂合わせ) 恋(こい)と は 慈悲慈悲(じひじひ)
「個別化の原則」、「自己決定の原則」に照らしてみても、講師は、自分の価値観を受講者に押し付けていないか? 受講者が、各自、自分で判断できるように促しているか?
👉介護保険の基本理念「利用者(家族)本位」に立つならば、「働く側」を大切にしつつ、
老親を預ける「家族の側」に立って、しっかり見つめ直さなければならない。
家族の欲求は、「一人の人間として、きちんと扱ってもらいたい」と望んでおられる。
大型施設が「上」で、グループホームが「下」とは観ておらず、「老親をどれだけ大切にしてくれる施設か、どう
か」を観ておられると思う。
一律いっぺんの画一的な扱いはされたくない―という「個別化の原則」に尽きる。
「認知症」の症状は似ていても、「個人の背景」は一人ひとり異なる。目の前にいるのは「一人の人間」。
👉専門学校講師が、受講者に向かって取るべき態度は、「勤め先が100人だとしても、18人だとしても、皆さん
は“一人ずつのお世話”に専念してください!」―だと思う。
「個別化の原則」によって課題が「等価」される。「上」とか「下」という見方が変わる。
昨年末、ノーベル平和賞が話題になった。「1979年のノーベル平和賞」は、カトリックのマザー・テレサ(1910
~1997年)が受賞。インドで、『死を待つ人の家』にシスターらによって運び込まれた人たちをお世話するとき、
まず初めに「名前と宗教」を訊ねた。
一人ずつ、「一人の人間」として、その人の宗教を尊重し、最期をその人の宗教で葬って差し上げた。
(2025.1.10)
NPO福音の園・埼玉 理事長 / グループホーム福音の園・川越第二 管理者 杉澤 卓巳