病でなく「ギフトである」と捉えるむきもあるーここに「希望」がある
2024/03/18
◎アスペルガー症候群は、発達障碍の一つで、社会性・コミュニケーション・想像力・共感性・イメージすることの障碍、こだわりの強さ、感情の過敏などを特徴とする。場に合った適切なコミュニケーションが取れない、空気が読めない、感情表現が苦手、細かいことに異常にこだわる等の特徴がある。
◎アスペルガーと言われる人は、社会性に課題があるものの、独自のこだわりを持ち、特定の分野では驚くべき才能を発揮する。アインシュタインやエジソンなどもアスペルガー症候群。歴史に名を残す天才が多いため「病でなくギフトであると捉えるむきもある」とされる。ネット検索した中に、黒柳徹子さん、さかなクンもアスペルガー症候群であると紹介されていた。
👉「ギフト」とは「贈り物・プレゼント」の意味。贈り物なら、意思を持って贈った「相手」が居る。その人に「アスペルガー」という機能(個性)を、意思を持ってプレゼントしたお方「相手」が存在する。
◎「認知症」という症状も、「認知症」になりたくて認知症になった人は誰一人いない。たまたまなってしまった。だとしたら、あるがまま、その人を受け入れることが当人を取り巻く家族や周囲の関係者に求められている事。
👉「認知症」がギフト・プレゼントである、とは はばかられる(控えなければならない)。
先日、歯科往診で99歳Iさんが抜歯された。麻酔薬処置後の治療だったが「顔をゆがめて」耐えておられた。また、治療中、本人を抑止する周囲の関係者に対する「目つきが険しかった」。この日、遅出勤務だった為、内心、“夕方から就寝にかけて大変なことになりそう…”と覚悟した。ところが、お茶の時間「歯は痛くないですか?」と尋ねたところ、ケロッと忘れてしまわれ「痛みも、抜歯の恐怖」も記憶から消えてしまっていたのでホッとした。
「認知症状」による問題行動によって周囲の家族は混乱甚だしく、大変な心労の連続に違いないとしても、改めて「病でなくギフトであると捉える」ことは、99歳Iさんに限っては「必ずしも、的外れとは言えない」のではないか?
「認知症状に対する認識を根底から覆された」ことを、この日実感させられた。
(2024.3.18)
NPO福音の園・埼玉 理事長 / グループホーム福音の園・川越第二 管理者 杉澤 卓巳