特定非営利活動法人 福音の園・埼玉

「ながめる緑」から「かかわる緑」へ ―癒しの園芸療法― “たまったストレスを地面に流す効果あり!”

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理事長ブログ

「ながめる緑」から「かかわる緑」へ ―癒しの園芸療法― “たまったストレスを地面に流す効果あり!”

2021/11/05

 「『癒しの園芸療法(園芸福祉)』を取り入れ、認知症状の緩和快然を目指す」を実践中です。

1997年(24年前)、埼玉県主催による「彩の国・癒しの園芸活動指導者養成研修」が4ヶ年計画でスタートしました。趣旨は、                   

 心身にハンディのある人や高齢者が、植物の世話や庭の手入れを行う活動に参加することを促し、生命をはぐくみ、自然と触れ合い、植物の豊かな特性が五感に働きかけることで身体的・社会的効用を引き出すよう意図した園芸活動を「癒しの園芸活動」と位置づけると共に、広く埼玉県内の福祉施設で実践されるように「癒しの園芸活動」指導者を養成する。

 私は、第一回受講生として、前職の社会福祉法人の大型施設勤務先から参加しました。県内各地から結集した受講生と共に、一年間の受講を通して、「園芸福祉(園芸療法)」は、単なる「土いじり」ではないことを体得することができました。

🔷「園芸作業」―綺麗に咲かせる、美味しく(たくさん)実らせる、という「商品・収益」(経営)が最優先されますが、

🔷「園芸活動」―それぞれのプロセスを大切にしますので、結果は二の次。積極的に「緑に関わる」ことで心と身体の癒しを目指しています。

 例えば、植物は「公平で正直です?」👉私にとって嫌いな人(意地悪な人)……、そんな人であっても、その人が育てたら(差別なく)綺麗な花を咲かせ、美味しい実をつけてくれます!

「治療」は手当てなどをして病気・ケガを直すことですが、「癒し」は心理的な安心感という存在全体に関わる言葉です。癒しの園芸療法は、植物が持っている「公平さ、正直さに癒される」のです。

 ストレス過剰で脳に過充電が起こると、自律神経の支配下にある心拍もこれにつられてバランスを崩し、動悸を感じるようになる。脳のストレスが過剰になったとき、園芸活動で土地に触ることにより、文字通りストレスを※アースすることができる。     

<創森社発行『園芸福祉のすすめ』抜き書き> ※電気を地面に流す「アース線」

 

脳内に過充電されたストレスを地面に流す「役割」を大切にするのが園芸福祉です。

◎「育苗過程」が子育ての疑似体験だと言われます。植物のライフスタイル[種まき⇒発芽⇒成長⇒開花⇒結実⇒枯死]は、人の一生と同じだからなのでしょう。

 事例:「アマリリスのカラーサンド植え」を皆さんと行いました。完成した球根鉢を日当たりの良い所に名札を付けて並べられました。数日後、Aさん(86歳・女性)の球根鉢が見当たらない。布団を掛けたベッドの中に置かれていました。優しく「アマリリスはお布団の中よりもお日様のほうが気に入っていますから!」とお話しして納得されました。緑が内包している優しさに触れるところから「癒し」が始まります。「心に触れる優しい支援の実践」は園芸療法活動から始まっていくのでした。

(2021.11.5)

 

NPO福音の園埼玉 理事長 / グループホーム福音の園川越第二 管理者 杉澤 卓巳

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